【EYE MUSEUM】松竹映画100周年記念上映会

現在オランダのEye Museum(→⭐️)では松竹映画100周年を記念して特別上映会が行われています。
これは3月2日まで行われるそうですが、昨日、小津安二郎監督の映画「早春」を観てきました。


亡くなった祖父が映画好きで、祖父が若かりし頃、よく映画館で小津監督の(白黒)映画を観ていたというのを思い出し、「あぁぁ観てみたいなぁ」と思ったのです。
戦争を経験した小津監督の映画には、必ず「戦争」と絡ませている物語が入っています。
祖父もまた同じく戦争を経験した身ですから、それもあり、思い入れがあったのかなと感じました。

思い返せば幼い頃、よく先祖のお墓参りに行く際、必ずビルマ(現:ミャンマー)で戦死した戦友のお墓参り・慰霊碑参りも欠かさずしていました。幼い頃から戦争の話をよく聞かされていて、そのお墓(慰霊碑)にもいつも付いていっていました。
嫌だな、と感じたことは一回もなかったのです。

その慰霊碑は、小高い丘の上にあって、そこへヨイショ、ヨイショと祖父と一緒に登っていくのですが、頂上から見る景色がとても綺麗で、いつも可愛いお花を一緒に選んで、おいしいものを一緒に買ってお供えするのです。
その帰り道、祖父と一緒に映画を観に行ったり、ロイヤスホストでご飯を食べたり、子供の記憶に残るような「楽しい」事を沢山一緒にしてくれました。
その都度祖父はいつも(いちばん古い記憶でたぶん私がまだ3、4歳くらいの頃)
「好恵ちゃん、平和はいいよ。そして何もない日々というのが一番幸せなんだよ。」
と私を諭すように言ってくれました。

そして
「幸せだと感じる時は、それをお裾分けすること、10あるのなら、その半分は与えること、1しかないのならば、その半分は分けること。」

これは、祖父の口癖でした。
そして、どんな時もそれを必ずその言葉を実践していた祖父でした。

大好きな祖父も祖母も、もう亡くなってしまいました。
去年の秋亡くなった祖母の最期も看取ることはできませんでしたが、こうやって何かあるごとに2人を鮮明に思い出すのは、それだけ2人の愛情を沢山受けて育ったからなんだろうなぁ、と思う今日この頃です。

素敵なおじいちゃん、おばあちゃんでした♡

さて、また少しずれてしまいましたが、
私にとって初めての白黒映画。
しかも上映時間は2時間半!

(*この写真は、上映前、まだ周りが明るい時の写真です。)

本当に最後まで楽しんで観れるのかしら?と思っていましたが、、、、。

感想:
「最高」この一言に尽きます。
白黒なのに、なぜか終わった後、思い出されるシーンは、私の中で私の想像力によって色付けされていました。
今更ながら、白黒映画の良さがよく分かりました。
そして不思議なことに、私がこの映画から受け取ったメッセージ:
「普通の日々が一番幸せな日々」ということでした。
正に、祖父がいつも言っていたことです。

2年半帰れていない、遠い日本を思いながらノスタルジーを感じ、私にとっては至福の2時間半となりました。上映期間中は、是非ほかの作品も観てみたいと思います。

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